プロセス・プロジェクト②触れ合い。
そのまず第一回目として行われたのが、油絵画家の柳田有美さんをファシリテーターとしてお招きして行われた、美術ワークショップでした。
▶柳田有美さんプロフィール
東京都出身。油彩、パステル、写真を主として抽象表現を行う。近年では子ども向け絵画ワークショップやライブペインティングパフォーマンス、アートメイクにも力を入れ、国内のみならず、中東、ヨーロッパへと活躍の場を広げている。最新の活動としては、スカイアクアリウム夏休みこどもアートワークショップ(六本木ヒルズ)、世界こども図画コンテストお絵描きワークショップ(銀座三越)、被災地・心の支援『仙人仏プロジェクト』木炭画出展(岩手県大船渡市仮設住宅)、日仏現代国際美術展本展 入選展示(東京都美術館)、キングコング西野亮廣おとぎ町ビエンナーレ美術製作(伊藤忠青山アートスクエア)、ホッとする!一緒にいたいアートたち展、「皇室 東久邇文化褒賞」受賞、日仏国際美術展国際公募 入選展示(国立新美術館)、World Art Dubai 2018(アラブ首長国連邦)、Japan Tide yminem KIRIE Pastel Stencil Art Workshop (Dubai Mall KINOKUNIYA,UAE)、Japan Expo Paris 2018(Nord Villepinte,France)、ADIHEX2019(Abu Dhabi National Exhibition Centre, UAEなど。
▶ご本人のブログ
今回のワークショップの目的は「公演で使用するための美術の創作」。
作品中、あるシーンで登場し、作品の「主役」ともなる大きなモニュメントを作ることでした。
フロアにひろげられた大きなキャンバス。傍らには、絵の具や、家族写真、小瓶やクッション、スリッパなどのしなじな。(小説「響きと怒り」でも重要な登場人物となる小物たち!)
「まずは皆さんで自分の中に集中しましょう」と、柳田さんがみんなに促したのは、ヨガのウジャーイ呼吸。輪になってみんなで呼吸をしているうちに、自分や他を「ジャッジ」するような感覚は不思議と手放されました。
そして、各人が手のひらや足を使い、思い思いにキャンバスに色をのせていきました。
「絵の具のてざわりを味わってください。もしかすると、絵の具の色や触感から何かを思い出したり、感情が湧いてきたりするかもしれません。」
ワークショップの間は、本企画の音楽・映像を担う中澤ナオさんが即興演奏をしてくださいました。
そしてなんと、ワークショップの主役である仁くんは、美術よりも演奏に関心を示し(笑)生まれて初めて、マンドリンやギターの演奏に挑み、ワークショップ中ずっとナオさんとセッションしながら美しい即興演奏を奏でてくれたのです!
演劇のワークでは、相手のセリフを聞いたり、相手を見たりすることが基本となりますから、視覚や聴覚は特に使っていますが、
絵の具や、美術の材料の「手触り」に集中=触覚を意識するというのは、とても新鮮な体験でした。
「美術や創作にはセラピー効果があります。体の奥に封じこめた気持ちがあふれ出てくることもあるかもしれません。正しいも間違いもありませんから、自分の感覚に素直になって表現しましょう。」
柳田さんのガイダンスと、仁くんやナオさんが奏でる演奏、舞台監督の星さんやスタッフの真崎さんが作ってくださったアトリエの美しい照明効果によって、
参加者それぞれの体の中からあふれ出るエネルギーがはっきりと見えるようでした。
キャンバスに色は次々のせられ、それぞれ思い思いに、踊ったり、詩を書いたり、足の平で絵の具を塗ったり、アトリエはいつの間にか自由を謳歌する者たちの寄り合いの場のようになっていました。
アートワークが完成した後は、参加者それぞれが、
作品を前に座り「いまのわたし」について語りました。
今気になっていること、最近感じていること、誰かに伝えたいことや聞いてほしいことを語る。
自分を「ジャッジする」、誰かにどう見られているかを気にしてしまう、いつもならそんな感覚が足を引っ張るのに、自由に絵を描いたり音を奏でたりした時間のあとは、そんな気持ちはどこか遠くへ行っていました。
そして言葉を紡ぐメンバーを見つめるみんなの瞳に宿っていたのは、「尊重」のまなざしでした。
完成品の全貌は本公演での登場をお楽しみに!!
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