公演概要
【東京公演】
2021年2月10日~14日
◎会場 SUBTERRANIEAN(東京都板橋区氷川町46-4 B1F)
劇場は地下一階でエレベーターがございません。
お越しになる際、ご不便のある方には公演スタッフがお手伝いをさせていただければと存じま
すが、介助に慣れた方とのご同伴をお勧めいたします。
◎チケット 前売3500円/当日3800円/25歳以下(前売・当日)3000円
※開場30分前 ※定員20名(通常座席数の50%)を予定
【軽井沢公演】
2021年5月1日(土)15:30、5月2日(日)15:30
◎会場 信濃追分文化磁場油や(長野県北佐久郡軽井沢町大字追分607)
◎チケット 2000円
◎定員 15名
※開場30分前
【西会津公演】
2021年5月8日(土)14:30~9日(日)14:30
◎会場 西会津国際芸術村NIAV(福島県麻耶郡新郷大字笹川上ノ原道上5752)
◎チケット 3000円
※開場30分前 ※定員25名を予定
『響きと怒り』のひとびと
イラストは、障がいあるなしに関わらず特別な呼称などない共に生きる社会を目指し活動している、「studio FLAT」 所属アーティストの山内健資さんと中根柊さんによるものです。studio FLATウェブサイトはこちら
(ビジュアルデザイン:佐和子 相関図作成:万里紗)
ウィリアムフォークナー著。1910~20年代、アメリカ南部の名門コンプソン家の没落を描いた小説。
四部構成で、それぞれの章が別の人物の視点で語られる。
物語はすべて「意識のながれ」に沿って描かれおり、記憶や感情が時空間関係なく入り乱れている。
20年代末期には、コンプソン家は今や没落の一途をたどり、残された土地を少しずつ新興の北部資本主義者に切り売りしながら暮らしていた。このコンプソン家の血を継ぐ最後の者たちとなったのはクエンティン、キャディ(キャンダス)、ベンジー(ベンジャミン)、ジェイソンのきょうだい。そしてキャディの私生児、クエンティン(叔父の名前を受け継いだ)だ。
ベンジーは、知的に障害があるために家に閉じ込められていた。
彼の言葉は、家族の成員に伝わらなかったり、捻じ曲げられたりすることも多く、父の葬式も、兄の葬式も、姉の結婚式にも参加させてもらえず、いつも狭い窓や、家の門の隙間から、外の世界を眺めていた。
『ヴェニスの商人』を思い起こさせるジェイソンは、幼いころから金勘定が大好き、きょうだいの中で唯一女性であるキャディをいつも目の敵にし、その私生児である(娘)クエンティンも「あばずれ」と言って侮蔑し、彼女に送られてきた金をすべて懐に入れていた。
クエンティンを思い描くとき、戯曲『ハムレット』を思い浮かべると助けになるかもしれない。
彼はその弟ベンジーが愛した草地を売って得たお金で行ったハーヴァード在学中に自殺。クエンティンがそこまで追い詰められてしまったのは、彼の唯一愛した女性が血を分けた妹であったということと、その妹が「純潔」を捨て家を出て行ったことが原因であった。
小説「響きと怒り」ではこの3人の男たちが各章でこのコンプソン家の物語を語り、そして最後はもう一人、「黒人」の奴隷/家事手伝いとして、長年このコンプソン家と共に暮らしたディルシーという女性が客観的に描かれ、物語が締めくくられる。
本企画では、この「語る」言葉を持たないヒロイン、キャディとその娘クエンティンの詩劇を構築、そしてベンジーの見ていた世界を立体化することに挑む。
【小説上の登場人物】